京王電鉄が6月16日、京王線・井の頭線沿線全域を対象に「空き家巡回サービス」を始めた。(八王子経済新聞)
家事代行サービスや住宅のリフォームなどを提供する「京王ほっとネットワーク」の新事業として始められた同サービス。居住者のいない一戸建てやマンションを所有者に代わって、定期的に巡回点検するサービスとなっている。
一戸建てに対しては、屋外を確認する「一戸建て簡易プラン」(月額5,000円)と換気や通水、水漏れ・雨漏り、庭木や雑草、郵便物の確認、簡易清掃など屋内のチェックも行う「一戸建て標準プラン」(同9,000円)の2つのプランを展開。マンションについては、「マンションプラン」(同7,000円)を別途用意する。巡回は月に1回行い、写真付きリポートをまとめて報告。1回の巡回で足りない場合は、追加料金で複数回確認にも対応する。
2013年の総務省「住宅・土地統計調査」によると、総住宅数に占める空き家の数は820万戸、空き家率は13.5%と高い値を示しており、空き家の数は全国的に増加傾向にあるという。今回のサービスでは、転勤や療養などのため自宅を空けてしまうケースや相続したもののしばらく利用の見込みがないケースを対象に、実家に誰も住んでいないなどの理由により日常的に自分でメンテナンスができない人の利用を見込む。
同社広報担当者は「物件の現在の状態を把握できるほか、風通しによる室内の空気の入れ替え、通水による配管のさびの付着・臭気の防止など、定期的にお手入れすることで建物の劣化防止や防犯・防災等の効果が期待できる」と話す。「京王グループ全体が取り組んでいる沿線価値向上の取り組みの一つとして、今後も『住んでもらえる、選んでもらえる沿線』を目指す」とも。