国家統計局が公表した2015年前半の中国のGDPは前年同期比7.0%増の29兆6868億元だった。一方で全国31省・市のGDPの合計額は32兆3974億1700万元で、全国を2兆7106億1700万元上回っている。7月29日、央広網が伝えた。
ここ数年、連続して地方のGDPの総計が全国を上回り、しかもその差は年々拡大している。
国家統計局によると、四半期GDPは「生産法」「収入法」「支出法」の3通りの計算方法があり、国家統計局は生産の角度から創造価値を算出する生産法を採用している。しかし各省・市の算出方法はまちまちで、誤差が生じるのはやむをえない。とはいえ、毎年4兆元以上の差が出るのは、誤差では済まされない面もある。
この差の大きな理由は地方のデータ水増しである。中央政府は地方政府の業績評価をする際にGDPばかりを重視しないと強調しているが、成果が出るまでには時間がかかりそうだ。
中国改革基金会国民経済研究所の王小魯副所長は「各省のGDP成長率は高くなりがちで、その原因はやはり、地方政府が統計に手を加えているということだ」と指摘する。
国家統計局の馬建堂元局長も昨年3月に「地方には多かれ少なかれGDPを崇拝する傾向がある。GDPを増やすためには環境負荷もいとわず、数値を改ざんするケースさえある」と言及していた。