2018年5月13日、観察者網は、「李克強(リー・カーチアン)首相がトヨタ北海道工場を視察したことはどんなシグナルを発しているのか」と題する記事を掲載した。
5月11日、李首相は安倍晋三首相と共に、北海道苫小牧市にあるトヨタ工場を視察した。トヨタは、この視察のために最先端の科学技術製品を北海道工場に運んで展示したとも伝えられている。
報道によると、トヨタの豊田章男社長は、「現在の自動車業界は100年に1度の大変革期を迎えている。この変革をリードしているのは世界で最も発展速度の速い中国。われわれは時代の変化に対応し、中国の発展に全力でついていきたい」述べたという。記事はこれについて、「李首相に対し、中国と提携したいという強い願いを示した」と伝えた。
李首相は、「中国では現在、イノベーションシステムの構築を強化している。今回の訪日で、両国のイノベーション提携や対話の強化で共通認識に達した。トヨタを含む日本企業はこのチャンスをとらえ、さらに中国との提携を深め、『製造』から『智造』へとグレードアップし、より高い次元でのウインウインを実現することを願う」と語ったそうだ。
記事によると、約1時間にわたる視察の中で、李首相は技術的な面と現実との距離に関する質問を数多くしたという。視察では、研究段階の自動運転車が日本の高速道路を試験運転する様子の映像が紹介されたが、「自動運転技術の成果の一部は、トヨタと中国の大学が共同で研究開発したものだ」との説明があったという。
すると李首相は、「トヨタとより多くの中国の大学が共同で研究センターを設立し、共同研究開発とイノベーションについての協力をさらに深化させ、両国の市場と第三国市場にマッチした競争力を備えたハイテク製品を生み出すことを願う。中国政府は確実に知的財産権を保護する」と述べたという。
記事は、日本メディアの報道も引用し、「李首相は、日本企業が中国に来ることを歓迎しており、中国へのさらなる投資を呼び掛けた」と紹介。さらに日本政府関係者の話として「経済の構造的改革を推し進めるため、李首相は企業の技術とイノベーション能力を非常に重視している」とも伝えた。