2018年11月5日、中国メディアの参考消息網は、中国の民間上場企業の研究開発(R&D)費について「過去6年間の伸び率は世界最高で、規模ではすでに韓国を抜きドイツに迫る勢いだ」と報じた。
韓国紙・朝鮮日報(電子版)の1日付の記事を引用して伝えたもので、米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が10月30日に発表したR&Dに多額の費用を投入した世界の民間上場企業に関するリポートによると、「米国企業は合算シェア42%を記録して圧倒的な1位を占め、米国と激しい貿易戦争を繰り広げている中国は4位にとどまったものの、2012年からの年平均伸び率は17%に達し世界最高だった」という。
記事によると、過去1年間のR&D投資の上位1000社の総投資額は前年比8.4%増の7818億ドル(約88兆4600億円)だった。企業別に見ると、トップは米アマゾン・ドットコムの226億2000万ドル(約2兆5600億円)。2位はグーグルの親会社の米アルファベット、韓国のサムスン電子は4位だった。
国別では、米国が上位1000社のうち340社を占め最多だった。アマゾンやアルファベットのほか、米最大の半導体企業インテル、世界最大のソフトウェア企業マイクロソフト、スマートフォンメーカーのアップルがそれぞれ5~7位に入った。
R&D投資企業が米国に次いで多かったのは日本で、代表的な自動車メーカーのトヨタ、ホンダ、日産、IT企業のソニー、パナソニックなど6社が上位50社以内に入った。世界3位のドイツも、自動車メーカーのフォルクスワーゲン、BMW、ダイムラーや、ドイツ最大の製薬会社であるバイエルなどのバイオ企業がR&D投資を導いた。
中国は、IT企業を中心に大規模なR&D投資を断行した。中国最大の電子商取引企業であるアリババは36億3000万ドル(約4100億円)で45位、インターネット企業テンセントは26億8000万ドル(約3000億円)で59位だった。通信機器メーカーのZTEとポータル企業のバイドゥはそれぞれ19億9000万ドル(約2200億円)をR&Dに投資した。非上場企業であるためこの統計に含まれない世界最大の通信機器メーカーのファーウェイまで含めると、中国はドイツを追い抜き世界3位になるとみられる。
韓国は、フランスや英国、オランダより上位の世界5位だが、サムスン電子を除くと、R&D投資規模は180億ドル(約2兆円)とほぼ半分に落ちる。