中国の今年の宇宙関連事業では、次世代宇宙ステーションと有人宇宙船が重点になるとみられている。中国航天科技集団は、2020年に中国は次世代有人宇宙船の試験機を打ち上げると発表した。
中国航天科技は、「次世代有人宇宙船は帰還モジュールとサービスモジュールの二つのモジュールで構成されている。一連の新技術を採用したことで、他国を追いかけていた中国の有人宇宙往復輸送技術が他国に追いつき、肩を並べるという飛躍的進歩が実現した。同宇宙船はモジュール化設計思想に基づいており、帰還モジュールはどの任務でも同一タイプを採用するが、異なる仕様のサービスモジュールを組み合わせることで、低軌道輸送や月探査の任務に対応でき、有人・貨物往復輸送能力を向上させている。試験機は長征5号Bキャリアロケットシリーズ初のロケットで打ち上げられ、軌道上飛行試験を行う予定だ」とした。
中国航天科技が今回紹介した製品のうち、比較的重要な製品は二つある。一つは長征5号の技術をベースにしている長征5号Bキャリアロケットで、長征5号の技術をベースにしており、中国で低軌道運搬能力が最大の次世代キャリアロケットとなり、中国の宇宙ステーション・モジュールの打ち上げ任務を担う。同ロケットは全長53.7メートル、コア直径5メートル、ブースター直径3.35メートルで、離陸重量837.5トン、低軌道運搬能力は22トン以上となっており、宇宙ステーションの打ち上げ専用に用いられる。
もう一つは有人宇宙船だ。中国航天科技は具体的な名称について言及しなかったが、これまでの報道と合わせると、この試験モジュールの名称は次世代の神舟宇宙船「神舟12号」になるとみられる。中国の「神舟」シリーズ宇宙船にとっては12回目の任務、中国の有人宇宙飛行としては7回目の任務となる。この宇宙船から、宇宙船「神舟」と宇宙ステーションとのドッキング任務が慣例化され、定期的に宇宙ステーションに宇宙飛行士を送り込むことになり、その意義は重大だ。
中国有人宇宙プロジェクトのチーフデザイナーである周建平(ジョウ・ジエンピン)氏が以前明かした情報によると、2020年上半期に予定されている宇宙ステーション・プロジェクトは、キーテクノロジーの検証、建設、運営の3段階に分けて実施されるとみられる。そのうちキーテクノロジーの検証段階では、長征5号Bキャリアロケット初となる打ち上げや、試験コアモジュール「天和1号」、「神舟」シリーズ宇宙船、「天舟」シリーズ宇宙船など6回の任務が予定されている。